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自費出版のいろは

本のサイズ

こちらの記事は、旧サイト・ブログの記事を加筆・修正したものです。

本のサイズは「判型」とも言って

A判系列
A4判 – 210×297mm(展覧会の図録など)
A5判 – 148×210mm(学術書・文芸雑誌・総合雑誌・教科書など)
A6判 – 105×148mm(文庫本)

B判系列
B4判 – 257×364mm(美術本・グラフ雑誌など)
B5判 – 182×257mm(週刊誌など)
B6判 – 128×182mm(単行本など)

その他
AB判 – 210×257mm(マガジン雑誌など)
菊判 – 152×218mm、152×227mm(単行本など)
四六判 – 127×188mm(単行本など)
B40判 – 103×182mm (新書など)105×173mmの場合も

など用途ごとにいろいろなサイズがあります。

これらのいずれかのサイズで本を作らなければならないということはなくて、自由にサイズは選ぶことは出来るのですが、上記のサイズはどれも全紙サイズ(用紙のもともとのサイズ)から無駄なく本がとれる大きさになっています。
例えば、A4判はA全判から16ページ、A5判は32ページ、A6判は64ページがロスなくちょうど取れます。
同じように菊判は菊全判から32ページ、四六判は四六全判から64ページ取れます。

話はちょっと逸れますが、昔は大手出版社から発行されている女性誌はA4サイズに対して幅が広いA4変形サイズを採用していて、さらに各誌が他との差別化のためワイド幅はそれぞれ数ミリ違いで独自のサイズを採用していました。
このA4変形判は既製の全紙サイズからは非常に取り都合が悪いのですが、雑誌が全盛だった時代は非常に発行部数も多かったので、それぞれ自社の冊子サイズの取り都合に合わせたサイズの全紙を特注で製紙メーカーに発注していました。

ところが長引く経済不況とインターネットによる情報発信の多様化などの影響で雑誌が売れなくなる厳しい状況の中、何年か前にそれぞれの出版社が拘りのサイズを捨てて、各社共通サイズに統一し、それまで別々に特注してい全紙サイズの共通化による量産効果で経費を削減しようとしました。

またサイズを統一すると、クライアントが出稿する広告の原稿サイズも統一することができたため、複数の雑誌に出稿するクライアント側の広告製作コストも軽減でき、結果出稿機会の損失を防ぐことができると考えました。

このような努力にもかかわらず、その後も雑誌の低迷に歯止めはかかりませんでしたが、本の微妙なサイズの違いが(特に大ロットの場合)印刷コストに大きく影響を与えることがわかるエピソードとして紹介しました。

閑話休題。
ところで写真集や画集ではよく正方形に近い判型の本を見かけます。
本のサイズ 正方形
この判型だと、写真や絵が縦長でも横長でもどちらのトリミングでもほぼ同じようなサイズで配置できるので好まれて写真集や画集には使われます。
ただ、このサイズは一見取り都合が悪いように思えるのですが、実は全紙から12ページがほぼ無駄なくとれるので、実際はコスト高の心配はありません。

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