上質紙の特徴
上質紙は、紙の品目分類によると、印刷・情報用紙の中の非塗工印刷用紙の中の上級印刷紙にあたります。
つまりコート紙やアート紙のように表面に塗工(コーティング)が施されていない紙で、不透明度が高く、平滑性に優れています。また、表裏の差が少なく、鉛筆やボールペン、万年筆などの筆記具との相性も良く、あらゆる印刷様式に適しています。したがって主に書籍や手帳をはじめ、ノート、メモ、原稿用紙、伝票、コピー用紙やチラシ、ポスター、パンフレット、はがきなど非常に幅広く使われています。
また用紙サイズ、厚みなどのバリエーションも豊富です。
そして価格面では、上質という高級そうな名前から考えると値段も高そうと考えてしまいがちですが、かえって中質紙や更紙(ざらがみ)のような白色度も低くチープな質感なものと比べて上質紙の方がどちらかというと安価です。これは何と言っても上質紙の場合需要がたいへん大きく生産量も多いためです。
上質紙に印刷した際の特徴
印刷したときの特徴としては、コート紙やアート紙などの塗工紙にくらべてインキが紙の方にある程度吸われるため、光沢はあまり出ず、落ち着いた色調に仕上がります。したがって貴金属や宝石をはじめ、コントラストの強さや光沢感を求める画像にはあまり向きませんが、やわらかなイメージの写真やイラスト、絵画などの表現には向いています。また文字や線画は適度にインキが紙に吸われることによって非常に目になじみやすく可読性に優れています。
あと、ときどき上質紙と色上質の白色を混同している方がいらっしゃいますが、両者は似て非なるもので、
上質紙はナチュラルなホワイトなのに対し、色上質の白色は白色度が高く、価格的にも色上質の白色の方が上質紙に比べてだいたい6〜8割増しになります。
上質紙の用途
書籍、手帳、ノート、メモ、原稿用紙、伝票、コピー用紙、チラシ、ポスター、パンフレット、はがき、名刺、他 幅広く。
上質紙を扱う主な製紙メーカー
ちなみに上質紙は下記の銘柄で主だった製紙メーカーからそれぞれ供給されています。
- OKプリンス上質【王子製紙】
- ニューNpi上質【日本製紙】
- しらおい【日本製紙】
- 雷鳥上質紙【中越パルプ工業】
- 金菱【三菱製紙】
- キンマリSW【北越紀州製紙】
- 紀州上質【北越紀州製紙】
- たいおう【大王製紙】
白色度や紙腰に若干メーカーによっての差はありますが、よほどのことがない限り気にはならない範囲です。