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印刷用紙事典

OKフロート・OKムーンカラー

こちらの記事は、旧サイト・ブログの記事を加筆・修正したものです。
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数年前からにわかに起こった活版印刷ブームですが、他にもレコードやカセットテープなどとともに古くて新しいアナログ文化として、若い人を中心にもうしばらくこの人気は続きそうです。その活版印刷の魅力の一つに、活字や凸版の印圧によって生じる微妙な凹みが挙げられます。凹んでいるほど喜ばれるなど昨今は本来の姿とは違う方向性で尊ばれていますが、その延長線上で、箔押しや空押しなどのホットスタンプも同じように最近人気があります。

熱で凹み部分の色が変わる不思議な紙

今回紹介する平和紙業が取り扱う王子エフテックスのOKフロートOKムーンカラーは、熱をかけながら空押しをすると、凹むとともに押した部分が若干変色する特徴をもった紙なのです。OKフロートは発売以来20年以上も経つ紙であり、そのOKフロートにパール加工を施したOKムーンカラーもその5年あとに発売された紙ですので、どちらも新しい用紙ではないのですが、最近になって注目を集めています。

空押しの効果が抜群に発揮できる

OKフロートやOKムーンカラーには「スチレンウッドパルプSWP)」という合成繊維が紙の中に漉き込まれており、そのため熱(150℃程度)をかけながら3mm版で空押しすると、その部分が上記スライドのようにやや色が変わり、薄い斤量のものだと少し透けた風でもあり。そのため、普通の空押しに比べ、押しの効果が高く感じられます。
またOKムーンカラーはさらに表面にパール加工が施されているので、パール効果と相まって、より高級感が高まります。

ちなみに同じくスチレンウッドパルプ(SWP)を配合して同様の効果を生み出す紙として竹尾の「パチカ」などがあります。
ただ、それぞれSWPの配合率が違うため、通常のオフセット印刷への適正には差があるようです。
具体的にはパチカの方はSWPの配合率が高いため多色刷りやベタ面積の広いものは向かず、文字1色の印刷程度が限界のようですが、OKフロートの場合は印刷適性や折り加工適正もそこそこあるようです。

OKフロートのバリエーション

63kg 、90kg、120kg、170kg、210kg
色はホワイトをはじめ13色(90kg、120kg)

OKムーンカラーのバリエーション

90kg、120kg、170kg、210kg
色はアイボリースキン、ペールグリーン、ライトパール、ホワイトの4色

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