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京都仁王門上ル下ル

週替わりの野菜料理も楽しみな金土日限定オープンのカフェ【喫茶ホーボー堂】


以前は家具屋さんがあった場所にできた不思議な名前のお店。
中に入るとどこか懐かしいような、居心地の良い
“ほっこりする”空間がひろがっていました。

家具やキッチン用具を譲り受けたことがオープンのきっかけに

仁王門通に2014年オープンした「喫茶ホーボー堂」は、佐藤大樹郎さん美早さん夫妻が二人で切り盛りするカフェ。
奥さんの美早さんはここを始める前から野菜中心の生活を送り、そんな暮らしの中から生まれた体に優しい料理を提供している。
喫茶ホーボー堂 佐藤ご夫妻
オープン当初は、フランス料理店の手伝いと併行しながらのスタートだったために、店を開けるのは日曜日だけ。
今は大樹郎さんも店に立ち、専念できる環境が整ったので、金土日の3日間営業している。

ご主人の大樹郎さんは、「(奥さんは人のもとで働くよりも)自分でやった方があっている」と見ていたが、店そのもののオープンはある意味なりゆきだった。
「以前に勤めていた店の女性オーナーが店をたたまれることになって、什器や家具、キッチン用具などすべてを譲ってくださることになったんです。そのことがきっかけといえばきっかけです」と美早さん。
本来なら買い揃えるはずの什器などが、まるで美早さんを開業に導くかのように、向こうからやってきたのだ。

しかし、譲り受けたからといってすぐにオープンできる訳でもなく、譲り受けた大きな家具や什器の保管場所にも困った。
そんな二人に救いの手を差し伸べたのが、現在の大家さんだ。家具店だった空き店舗を、店の準備が整うまでの3か月、無償で貸してくれた。

ホーボー堂 店内
店の改装は大樹郎さんと美早さんで行った。
壁やテーブルにあるたくさんの本は、本が溢れている二人の家から持ってきたものが中心。
居心地のいい喫茶店で、本を読む時間を嫌う人はいない。喫茶店巡りが好きな二人は、自分たちの店もそんな場所になればと願っている。
ホーボー堂 店内

農家から届く野菜でつくる体に優しいメニュー

ある日の食事メニューは「野菜と豆のカレーとかぼちゃの人参スープ」(900円)と「枝豆ご飯と野菜のおかずとみそ汁」(1,000円)の2種。
1,000円のメニューの〝野菜のおかず〟は週替わりで、この日は「切り干し大根とカボチャのトマト煮」「蓮根と銀杏の味噌漬け焼き」「里芋のゴボウソース焼き」など8種をワンプレートに盛り付けていた。
「野菜料理の献立は、農家さんから届いたものを見て決めています。農家の方がせっかく作ってくださったものを、無駄なく使いきろうと考えながら、いつもメニューを考えています」と美早さん。
出汁は根菜や昆布でとられ、ソースや香辛料で変化をつけながら、全体的に優しい味に仕上げている。

ホーボー堂 ある日の「枝豆ご飯と野菜のおかずとみそ汁(1,000円)
ある日の「枝豆ご飯と野菜のおかずとみそ汁(1,000円)
ホーボー堂 カレーライス
カレーは和食器に盛り付けている

コーヒーは大樹郎さんの担当だ。
大樹郎さんにコーヒーのことを教えてくれた京都の「カフェ デ コラソン」の豆で丁寧にたて、深煎りの「イタリアンブレンド」や中煎り「パナマSHBボケテ」の他に、アイスコーヒーもある。青大豆やほうじ茶、えごま、ヘーゼルナッツなど6種ある玄米もち米のおはぎ(200円)も併せて注文したい。
ホーボー堂 店内

自分たちのペースを守りながらゆっくりと進む

オープンから4年が過ぎ、固定客も増えている状況で週3日だけの営業は、少しもったいない気もするが、それが仕事と同様にプライベートも大切にする今の二人にはちょうどいいペース。
「私たちの子供はまだ5歳で、今しか見られない子供の成長を、二人で楽しむ時間も持ちたいなと思っているんですよ」と、二人は話す。

店名のホーボーは、19~20世紀初頭のアメリカの渡り鳥労働者の名称からとったものだ。
ある意味自由な彼らのように、佐藤さん夫妻も店を営業している。
「今後はケータリングやお弁当の仕事も始められれば」と美早さん。仕事とプライベートのバランスをとりながら、ホーボー堂はこれからもゆっくりと時間を重ねていく。
喫茶ホーボー堂 看板

(構成・文/古都真由美 写真/からふね屋 古都真由美)

喫茶ホーボー堂
京都市左京区仁王門通東大路西入ル正往寺町452
電話:080-3803-0692
営業時間:金土日の10時~17時半(LO、食事は11時~)

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