笠井季美様は俳画からスタートされた顔彩を用いた淡彩画の作家です。
からふね屋とのお付き合いは2010年からで、案内状をはじめ、絵はがきや作品集の製作依頼をいただき、お手伝をさせていただいております。
2012年(京都)個展の案内状とポストカード
ぼかし、にじみ、かすれの再現性に注意した画像補正
笠井様の作品は輪郭線をほとんど用いず、彩色によってフォルムを表現されており、ぼかしやにじみ、かすれが大きな魅力なので、できるだけそれらの再現に注意して製作しています。
製作の手順としましては、笠井様が描き溜められた作品を裏打ちした後、一旦弊社でお預かりして原画をスキャンします。
その後、スキャンのデータをカラー分解、色調整を行いデジタルデータ化してからお返しし、そのあと額装されて個展に出展される、というのが恒例になっています。そしてデータ化した中から笠井様が選ばれた作品が、案内はがきや絵はがきになります。
このように絵画作品の場合、額装や表装などをする前のスキャニングが容易な状態の時に予めデジタルデータ化されておきますと、その後作品が他の方に渡ったとしても、作家のもとにアーカイブとして永く保存しておくことができます。
また、デジタルデータ化に際しては、印刷データ用として最大解像度で保存し、予め色調整も行なっておきますので、あとで作品集をつくるときなども作品選びや編集作業が非常に楽になるうえ、その後の印刷工程も非常にスムーズになります。
2013年(京都)個展の案内状とポストカード
和紙に描かれた原画に合う紙選び
また紙質も和紙に描かれた原画のイメージにできるだけ近くということでケナフGA100という非木材系のエコペーパーを用いましたが、この紙は嵩高で独特の温かみがあり、笠井さんの作品の雰囲気とよくマッチしたと思います。
仕様 | |
判型 | ハガキサイズ 100 × 148mm |
紙質 | 竹尾 ケナフ100GA 4/6判 180㎏ |
印刷 | オフセット プロセスカラー4色/特色1色 |
製作
DTP担当:南北由美(からふね屋)
原画スキャン・製版・印刷管理:株式会社からふね屋