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印刷用紙事典

和紙

こちらの記事は、旧サイト・ブログの記事を加筆・修正したものです。
和紙

全国にある和紙の産地

今回のテーマは和紙です。
洋紙が大きなメーカーでナショナルブランド的に生産されるのに対し、和紙は、全国の産地に点在する比較的小規模なメーカーや家族内手工業的な生産者がそれぞれ独自に生産しています。
したがって地域ごとにブランド化されており、主な産地である越前和紙や、土佐和紙、美濃和紙などのほか、非常にたくさんの産地があって、その産地ごとにいろいろな和紙が存在します。

主な和紙の産地(Wikipediaより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/和紙#.E7.94.A3.E5.9C.B0.E3.81.A8.E5.92.8C.E7.B4.99

襖判和紙 手漉き作業
襖判和紙 手漉き作業(越前)
襖判和紙 手漉き作業
襖判和紙 手漉き作業(越前)

意外とむずかしい和紙の定義

よくお客様が和紙だと言われていたものを実際に拝見すると実は洋紙だった、ということがよくあります。
ただ意外と和紙の定義はむずかしく、現に製法や原材料は伝統的な和紙のものを使っていても海外で生産されているものもありますし、国産の和紙でも原材料は海外からの輸入がかなり多いと聞いています。
したがって海外で生産されたものや、海外の原料を使ったものを果たして和紙と呼んでいいのかという疑問は残ります。
その中でも和紙を製法で大きく分けると、手漉き和紙と機械抄き和紙になります。

手漉き和紙とは

このうち手漉き和紙は、古来からの原材料である楮や三椏・がんぴなどを使用し、熟練の職人の手で一枚ずつ「流し漉き」という技法で作られます。
この製法上どうしても1枚1枚の紙厚や密度にばらつきがあるため、木版やシルクスクリーンなどの版画的技法や手差しの印刷機は別として、通常の自動給紙の印刷機ではうまく給紙ができなかったり、印刷品質にバラツキが出たりするのであまり印刷用紙としては向いていません。
また、生活様式の変化のため、本当に和紙らしい風合いを持つ手漉き和紙の需要は年々減少しつつあり、それに伴って生産者も大きく減ってきています。

和紙 手漉き作業
和紙 手漉き作業(越前)

機械漉き和紙とは

一方機械抄きの和紙は、古来からの原材料を中心に、パルプを使用したものも含め、手漉きの技法である「流し漉き」を連続的に機械で行うことによってつくられる和紙です。
機械漉きの和紙は、古来からの原材料を使ったものは風合いが良いかわりに印刷適性が低いのに対し、洋紙の原料であるパルプを多く含んでいたり、パルプを和紙の技法で抄いたものは風合いは劣るものの、通常の印刷機でも比較的安定して印刷できます。
したがって、現在パッケージや紙雑貨、書籍など生活一般に使われている和紙の大半は機械漉きです。

和紙 機械漉き
和紙 機械漉き(越前)

このように和紙といっても非常に幅広いジャンルと産地がありますので、和紙に印刷をお考えの場合は、印刷技法との相性を印刷会社に尋ねられて、よく確認されることをおすすめします。
特にオフセット印刷機の場合、最新のものほど非常に精密な機械であるため、紙の均一性への要求が高くなっているので印刷可能な和紙は限られていて注意が必要です。

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